
フリーランスの仕事に深く関係するインボイス制度。
2023年10月1日に開始された制度ですが、多くの職種のフリーランスが「登録すべきか?」「登録しない方が良いか?」悩んだはずです。
筆者もその一人でとても悩んだ末に、実際に登録しました。
そこで今回は受注者としてインボイスに登録しようか迷っているフリーランス初心者に向けて、インボイスとは何か、フリーランスにとってのメリット・デメリット、そして実際に登録してみてどうだったのかというリアルな感想を紹介します。
登録を迷っている人は是非、参考にしてみてくださいね。
ちなみにこの記事は免税事業者から課税事業者になることを検討している受注者側向けの内容です。
あくまでも個人の感想になるため、「登録した方が良い」「登録しない方が良い」と断定するものではありません。しかし、筆者の経験が、今まさに悩んでいる人の判断材料の一つになればと思い、この記事を書きました。
- インボイスとは?
- 2割特例が2026年度で終了!しかし、2028年までの3割特例が新たに誕生した!
- インボイスにフリーランスが登録するメリット&デメリット
- 筆者の実際にインボイス登録した感想
- 本日の結論(まとめ)
インボイスとは?
インボイスとは、正式には「適格請求書等保存方式」 と呼ばれる制度です。
簡単に言うと、消費税の計算と納税を正しく行うための新しいルールです。
この制度では、消費税の仕入税額控除(支払った消費税を差し引く仕組み)を受けるためには、「一定の要件を満たした請求書=インボイス」が必要というルールが定められています。
一見すると、消費税を納める側である「クライアント(発注側)」に大きく影響する制度のように感じられるかもしれません。しかし、実際に請求書を発行するのは受注側であるフリーランスです。そのため、インボイス制度はフリーランスの働き方や取引条件に大きな影響を与える制度でもあります。
すでに制度の運用は始まっており、インターネット上には「インボイスとは何か」「登録方法」「必要書類」などを解説した記事が数多く存在しています。そのため、この記事ではあえて登録方法などの細かい手続きには触れません。
その代わり、
- 登録した場合またはしなかった場合に起こり得る影響
- 実際に登録した筆者のリアルな感想
という「これから判断する人が本当に知りたい部分」に部分について紹介していきます。インボイス制度は、制度そのものよりも「自分の仕事にどう影響するのか」を理解することが何よりも大切です。
2割特例が2026年度で終了!しかし、2028年までの3割特例が新たに誕生した!
インボイス制度が始まるにあたり、フリーランスの負担を一時的に軽減するために用意されたのが、いわゆる「2割特例」です。
これは、インボイス登録をして課税事業者になった場合でも、確定申告するときに消費税の納税を、売上にかかる消費税の2割に抑えられるという特例。しかし、制度の運用は2026年度までで、その後は特例制度がなくなるという不安がフリーランスの間でも広がっていました。
ところが、2025年の年末に令和8年度税制改正大綱が発表され、3割特例になるものの、特例期間が延長されることに。
負担は増えてしまうものの、インボイス制度をきっかけに課税事業者になったフリーランスの今後に対する懸念が少し軽くなりましたね。
インボイスにフリーランスが登録するメリット&デメリット
もちろん登録するもしないも、それぞれにメリットとデメリットが付き物です。
まとめてみたので、今の自分に必要なものは何なのかの見極めの参考にしてください。
ちなみにこれらはあくまで可能性であって、必ずメリット・デメリットが起こるというわけではありません。
メリット
企業案件を受けやすくなる可能性がある
インボイス登録をしていることで、消費税の仕入税額控除を重視する企業と取引しやすくなります。特に継続案件や高単価案件では、安心材料の一つになることがあります。
取引条件の交渉を避けやすい
「インボイス未登録なので消費税分を調整してほしい」といった交渉を受けにくくなる点は、精神的な負担軽減にもつながります。
事業者としての信用面が向上する場合がある
課税事業者であることが、必ずしも実力を示すものではありませんが、一定の売上規模があるという目安として見られることもあります。
将来的な事業拡大に対応しやすい
今後売上が伸びた場合、いずれ課税事業者になる可能性が高いため、早めに慣れておくという考え方もできます。
デメリット
消費税の納税負担が発生する
売上にかかる消費税を納める必要があり、手取りが減ったと感じるケースもあります。
経理・税務の管理がやや複雑になる
消費税の計算や申告が必要になり、会計ソフトの導入や知識の習得が求められます。
収入が不安定な時期は負担に感じやすい
フリーランスは収入の波があるため、売上が落ちた年ほど消費税の負担が重く感じられることがあります。
筆者の実際にインボイス登録した感想
フリーランスが一番気になることと言えば、登録しないと発注してくれる企業が少なくなるのではないかという仕事への影響部分でしょう。
そこで、今回はその点に焦点を当てて、筆者の経験を紹介します。
なぜ登録したの?
筆者自身も多くのサイトを見て、インボイスがどんなものなのかやどんなメリットがあるかなどを調べました。やはり運用開始前の当時はSNSなどでも「インボイスに登録しないと企業案件が減るのではないか」と言う意見を目にしており、不安が大きかった記憶があります。
そんなこんなで登録した理由は、筆者自身すでに契約している案件が企業案件多数だったから。
事前に企業から「インボイスに登録しますか?」と聞かれたことはありませんし、「登録しないなら値下げしてほしい」という打診もありませんでしたが、2割特例もあるし簡易課税制度の利用もできるので登録しておいた方が無難な印象がありました。発注側としては企業であれば消費税の仕入税額控除を利用したいだろうと思ったというのもあります。
ただ、発注側にも特例期間が設けられるとのことだったので、その点で「急いで登録する必要はあるのか」と悩みました。
インボイスに登録しているか企業に聞かれた?
正直、運用開始後に「インボイスに登録しているか」と直接聞かれたことはありません。ただクラウドソーシングだとインボイスに登録した人にはバッチが付くなど、インボイス登録が発注側にとってフリーランスを選ぶ条件の一つの基準になったんだなと思いました。
案件は増えた?
筆者が取引をしている範囲の話にはなりますが、実際にクラウドソーシングではインボイスありの請求書の発行を希望するクライアントもいて、その多くが企業です。また、発注金額が大きければ大きいほどその傾向があるように思います。
ただ、その反面、筆者との取引ではインボイスありの請求書を希望していたクライアントでも、インボイスに登録していない人にも依頼していたのを見かけたことがあるので、インボイスは“ただの発注基準の一つ”であって、それだけで発注の可否が決まるものではないでしょう。
なので、案件が増えたかと聞かれると、その他の取り巻く環境などもありますし、一概には増えた・減ったとは言えません。
これからも課税事業者でいる?
2割特例が終了してしまうものの、3割特例が新たに運用されますし、様子見です。
ただ、正直今年はAIの影響などで若干収入が減ったのできついなとは思います。
取引相手に企業が多い限り、恐らく課税事業者で居続けると思いますが、まだまだ悩むところです。
本日の結論(まとめ)
そもそもインボイスのあり・なしだけで発注を決める企業は少ないと思います。最終的に仕事の受注を左右するのは、その人のスキルや提供できる価値でしょう。
インボイスのメリット・デメリットは、取引相手や職種によって重みが異なります。
ぜひこの記事を参考に、ご自身にとって納得のいく判断をしてみてくださいね。
しかし、特例が終了していく中で、今後状況が変わる可能性も否定できません。
だからこそ、制度を正しく理解し、自分の取引先や職種に合った選択をすることが大切だと思います。
※筆者は税の専門家ではありません。この記事はあくまで個人の経験談です。
より詳しく検討されたい方は、税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。