
「リピーターってどうやって獲得すればいいの?」
フリーランスが収入を安定させて、継続的に仕事を続けていくためにも大きな存在である“リピーター”。職種によって継続が得やすい場合もあるかもしれませんが、どんな職種であっても「またこの人に依頼したい!」「良かったから他の人に紹介しよう」とクライアントに思ってもらうことが、次の受注につなげるうえで重要であることに、変わりはありません。
そこで今回はフリーランス歴8年、継続案件も多数ある筆者が、リピーターを得るコツを経験交えて紹介します。
この記事を参考に、ひとつの案件が終わったら仕事が終わりという感覚ではなく、しっかり次につなげていくことを意識しながら、リピーター獲得を目指してみてくださいね。
↓案件獲得については、こちらも要Check!
クライアントは受注者の何を見ている?
クライアントがフリーランスに再び依頼したいと思うかどうかは、実は「納品物のクオリティ」だけではありません。以下のようなポイントを意識して仕事をすることで、次につながる可能性が高まります。
- 納期を守っているか
- コミュニケーションがスムーズか
- 柔軟に対応できるか
- 提案力があるか
- 仕事に責任感を持っているか
納期を守っているか
信頼の基本です。どれだけ良い内容でも、期限を守らなければ信用を失うことになります。
コミュニケーションがスムーズか
質問や確認を丁寧に行う人は、クライアントに安心感を与えます。対応の速さや誠実さも含めてチェックされています。
柔軟に対応できるか
多少の仕様変更やイレギュラーにも前向きに取り組む姿勢は、クライアントにとって大きな安心材料です。
提案力があるか
指示されたこと以上の価値を提供できる人は、印象に残りやすく「またお願いしたい」と思ってもらいやすくなります。
仕事に責任感を持っているか
他人事ではなく、自分の仕事として真摯に取り組んでいる人は、クライアントからの信頼を得やすくなります。
リピーター獲得コツはコミュニケーションにあり!
筆者は、提供するサービスの質はもちろんですが、コミュニケーションも重要な役割を果たしていると考えています。なぜなら、相手も人だから。誰でも丁寧かつ誠実な人と契約したいと思いますよね。だからこそ、コミュニケーションは最後まで丁寧に行う必要があります。
ここではメッセージでのやり取りを前提にポイントを紹介します。
まず取引場面を3段階に分けます。
- 契約前
- 進行中
- 案件終了後
それぞれ重要なポイントは以下の通りです。
ちなみに、挨拶と丁寧な言葉遣いは最低限の基本なので、こちらでは特に触れません。
契約前
ここではリピーターというより、一旦、目の前の案件獲得に注目することになるでしょう。
営業をはじめ、案件相談への返信など、まずは良い第一印象を与えることを目指します。
ポイント
☆案件を細かく理解する
クライアントが求めているものを丁寧に読み取り、理解する姿勢を見せることが大切です。
募集文や相談内容をただ流し読みするのではなく、「なぜこの内容を依頼しているのか」「目的は何か」を読み取ることで、より的確な提案や質問ができます。
「きちんと読んでくれている」「この人なら信頼できそう」と感じてもらえれば、第一印象は大きくプラスになります。
☆正直であること
できること・できないことを明確に伝えることも信頼を得るうえで欠かせません。
できないことを「できます」と言って無理に受けてしまうと、後々トラブルになる可能性がありますし、自分も苦しくなります。
「ここは経験がないのですが、調べながらなら対応可能です」など、正直かつ前向きな姿勢で伝えることで、誠実さを印象づけられます。
また、不要と思われる依頼(例えば、デザインであれば直す必要のない場所)は、そのことを正直に伝えると、誠実さが伝わります。実際に筆者も大変喜ばれたことがあります。
☆何を提供できるか明確に伝える
クライアントは「この人にお願いしたら何をしてくれるのか」を知りたがっています。
単に「対応可能です」と伝えるのではなく、「○○の経験があり、〇〇のような成果を提供できます」と具体的に伝えることで、安心感を与えましょう。
自分の強みを押し出す場面です。
進行中
案件が進行している間にも、できることがあります。
納品物のクオリティが良くてもここで印象が下がると、納品物の印象も下がりかねません。
ポイント
☆独断で進めない
不明点や迷う部分があれば、自分で勝手に判断せず、必ずクライアントに確認を取りましょう。
「いちいち聞いていいのかな?」と思うかもしれませんが、確認してくれる方がクライアントは安心します。また筆者の経験上、細やかに仕事と向き合っているという印象ができて、喜んでもらえることが多いです。
そして、途中で方向性がズレてしまうと、結果的にお互いにとって非効率になってしまうため、確認を取ることを、めんどくさがってはいけません。
☆進捗状況を細かく報告する
進捗状況や作業の途中経過などを、適切なタイミングで報告しましょう。
「〇〇の作業に取り掛かっています」「本日中に○○まで進める予定です」など、一言でもこまめに共有することで、信頼度が一段とアップします。
クライアントも「遅いなぁ」「ちゃんと進められているかな」とモヤモヤしないですむので、このひと手間を惜しまずに行ってくださいね。
☆(可能なら)アドバイスや提案も積極的にする
求められたことをこなすだけでなく、「こうした方がより効果的ではないでしょうか?」といった提案ができると、信頼感がさらに高まります。
もちろん、押しつけにならないよう、「提案」という形で伝えることが大切です。
案件終了後
ここが最も重要です。最終的にクライアントの印象に残るのはここでしょう。
単発だからと気を抜いて、最後のクライアントからのお礼メールに返信をしないのは言語道断。印象を良くして、さらに自分を売り込む最終チャンスです。
ポイント
☆しっかりお礼を伝えること
納品後、「ご依頼いただきありがとうございました」という丁寧な一言を必ず伝えましょう。
「この人はきちんとした人だな」と最後の最後で好印象を残すことができます。加えて、相手の協力にもお礼を伝える気遣いも重要です。
☆他に困っていることがないか聞く
「もし他にもお困りのことがあれば、いつでもご相談ください」と一言添えるだけで、相手が今後何かを依頼する際に思い出してもらえる確率が上がります。
思いやりを感じる言葉は、クライアントの心に残ります。
☆他にできることもアピールする
例えばライティングの仕事をした後に、「デザインやバナー制作も対応可能です」と伝えれば、他の仕事を依頼されるチャンスが生まれます。
一度信頼されたら、別ジャンルでも声をかけてもらいやすくなります。
別のクライアントにつながることも
実はリピーター獲得の延長線上には、「紹介」という新しいクライアント獲得のチャンスも広がっています。
クライアントが「この人は信頼できる」と感じたとき、自分の知人や他の部署などに紹介してくれることがあるのです。
実際、筆者も以前案件でお世話になった方からの紹介で、新規受注を獲得した経験が何度もあります。
紹介で得られる仕事は、すでにある程度信頼されている状態でスタートできるため、非常にありがたいルートです。
このように、ひとつひとつの案件を丁寧に対応することで、人脈を作られ、未来のチャンスが自然と広がっていくのです。
本日の結論(まとめ)
「“寄り添い”が見えると、クライアントからの印象が良くなる」
フリーランスとしてリピーターを獲得するためには、スキルや成果物のクオリティだけでなく、「人として信頼できるかどうか」がとても重要。
そのために必要なのは、寄り添う姿勢です。
クライアントが何を求めているのか、どこに不安を感じているのか、どうすれば安心して任せられるのか。
そうした視点で丁寧にやりとりを重ねることで、自然と「またお願いしたい」と思ってもらえるようになります。
一つひとつの案件を「単発」で終わらせるのではなく、次につなげる意識を持つことが、フリーランスとしての安定と成長に直結します。