
「機密情報の取り扱いで注意すべきことは?」
フリーランスとしてクライアントから仕事を受けていると、機密情報を取り扱い、さらにそれに関する守秘義務契約を交わすことがあります。
機密情報を漏らさないように注意するのはフリーランスとして基本。
ただ頭では分かっていてもフリーランス初心者だと、どんな点に注意すべきかよく分かりませんよね。
そこで今回は筆者が実際に行っている機密情報取り扱い方法と注意点を詳しく解説します。また、万が一トラブルが起こった場合の対応にも触れていくので、是非参考にしてみてください。
機密情報とは?
まず「機密情報とは何か」を押さえておきましょう。
クライアントと守秘義務契約(NDA)を結んだ場合、その契約に含まれる内容はもちろん機密情報です。例えば、プロジェクトに関する資料や戦略、開発中のサービス内容などが該当します。
しかし、私たちフリーランスが扱う情報はそれだけに限りません。意外と見落とされがちなものも「機密」と言えるのです。
- 見積書や請求書
- 契約書類や業務委託契約の内容
- クライアント担当者の氏名やメールアドレスなどの個人情報
- 社内でのみ使われる作業マニュアルや資料
- まだ公開されていない企画やキャンペーン情報
特に請求書や見積書は「単なる事務書類」と思いがちですが、そこには依頼内容・金額・企業名などが記載されているため、外部に漏れると大きなトラブルにつながりかねません。
つまり、クライアントから受け取った情報は基本的にすべて機密情報だと考えるくらいでちょうど良いでしょう。
漏洩するとどんなリスクがある?
「ちょっとした情報なら大丈夫」と思ってしまうと危険です。機密情報が漏洩すると以下のようなリスクが発生します。
信頼を失う
フリーランスにとって最大の資産は信頼です。一度失うと次の依頼につながらなくなることも。
契約解除や損害賠償問題に及ぶ
守秘義務契約を結んでいる場合、契約違反として損害賠償を請求される可能性があります。
クライアントの業務に支障が出る
未公開の企画が漏れた場合、競合に情報が流れるなど実害が発生します。
法的トラブルにつながる
個人情報を含む場合、個人情報保護法に違反する可能性があります。
特にフリーランスは一人で仕事をしているため、組織に守られない分、責任が重いことを常に意識しておく必要があります。
漏洩の原因は?
では、実際にどんな場面で漏洩が起こるのでしょうか。初心者が陥りやすい例を挙げます。
メールの誤送信
宛先を間違えて他社に送ってしまう。
公共の場での作業
カフェやコワーキングスペースで画面を覗かれる。
パソコンやスマホの紛失
セキュリティロックをかけていない端末を落とす。
データ共有の不備
パスワードをかけずにファイルを送信する。
SNSでの不用意な発言
仕事の内容を軽く発信したつもりが機密に触れてしまう。
実際に多くのトラブルはこのようなちょっとした油断から発生しています。
漏洩対策は何ができる?
これで完全に防げるわけではありませんが、筆者のしている対策は以下の通りです。
- セキュリティソフトを導入し、常に最新に。
- カフェで仕事をしない。
- 誤送信に気を付ける。
- ファイルは鍵付きにする。
- 保険に入っておく。
- 作業端末にはログインパスワードを必ず設定する。
- クラウドサービスを利用する際は二段階認証を有効化する。
セキュリティソフトを導入し、常に最新に。
ウイルス感染や不正アクセスがあった場合、情報流出は防ぎようがありません。そのため、ウイルス感染や不正アクセスを事前に防ぐ対策をできる限りしっかりすべきです。信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態にアップデートしておきましょう。
カフェで仕事をしない。
おしゃれなカフェでノートパソコンを広げて仕事をするのは憧れかもしれませんが、画面を覗かれたり、Wi-Fiが安全でなかったりするリスクがあります。どうしても外で作業する場合は、VPNを利用し、覗き見防止フィルターを取り付けるなど工夫が必要です。
誤送信に気を付ける。
メール送信時は「宛先」「添付ファイル」「本文」を必ず二重三重に確認します。筆者は送信前に一度下書き保存して、数分後に再度見直す習慣をつけています。
ファイルは鍵付きにする。
請求書や資料を送る際には、必ずパスワードを設定します。パスワードはメール本文に書かず、別の連絡手段(チャットツールなど)で伝えるのが安全です。
保険に入っておく。
万が一の情報漏洩で損害賠償を求められるケースもあります。フリーランス向けの「賠償責任保険」に加入しておくと安心です。加入を検討している場合は、さまざまな条件のものが用意されているので、よく検討してみてください。
作業端末にはログインパスワードを必ず設定する。
紛失・盗難時、端末に触れられても仕事データへ即アクセスされるのを防げます。分かりやすいパスワードではなく、複雑なパスワードをおすすめします。
クラウドサービスを利用する際は二段階認証を有効化する
不正ログインを防ぐため、さまざまなサービスで二段階認証が推奨されています。多少面倒くさくても、有効にしておくと安心です。
↓PC処分に関しても、情報漏洩を防ぐために気を付けるべきことがある!?
もし漏洩した場合にとるべき行動とは?
もし自身のミスで機密情報が漏洩した場合は
- 包み隠さずクライアントに報告し、指示を仰ぐ。
- 丁寧に謝罪する。
- 特定の人や企業に情報を漏らしてしまった場合は、ファイルを開かないようにお願いする。
包み隠さずクライアントに報告し、指示を仰ぐ
隠そうとするのが一番危険です。漏洩が判明したら、まずは事実を正直に報告し、どう対応すべきか指示を仰ぎましょう。
丁寧に謝罪する
感情的にならず、誠意を持って謝罪することが大切です。文面だけでなく、可能であれば電話や対面で謝罪する方が良いでしょう。再発防止策を提示し、具体的に伝えることも重要です。
特定の人や企業に情報を漏らしてしまった場合は、ファイルを開かないようにお願いする
誤送信先など、相手が特定できる場合は「開かずに削除していただきたい」と依頼します。
筆者の体験談~見積書を他社に送ってしまった~
筆者も何件か仕事をこなし、慣れてきたときに気の緩みが出てしまったのか、ある案件で、見積もりを送る際にメールの宛先を間違えてしまった経験があります。
自分の顔なので分かりませんが、当時は顔面蒼白だったことでしょう。どんな内容の依頼かという情報をはじめ、企業名などの情報がメールの本文に入ってしまっていたので、パニックになりました。
すぐに見積もりの正式な送付先のクライアントと誤送信先のクライアントに謝罪を入れましたが、幸い、どちらのクライアントも理解を示してくださり、大事には至りませんでした。すごく反省したと同時に、あのときの手の震えと冷や汗は今でも忘れられません。
この経験から「自分は大丈夫」という慢心が一番の敵だと痛感しました。
以来、送信先の確認は必ず2回しています。
本日の結論(まとめ)
「どんな対策も完璧とは言えないが、最善を尽くすべき!」
人である限り、ミスを完全にゼロにすることはできません。ですが、最善を尽くしている姿勢こそが信頼につながります。
フリーランスとして長く活動していくためには、技術力やスキルと同じくらい、クライアントの情報を大切に扱う姿勢が重要です。
- 「これは機密情報かどうか?」と悩んだら、すべて機密と考える
- 漏洩を防ぐ仕組みを日常的に整える
- 万が一のときは誠意をもって対応する
この3つを徹底するだけでも、トラブルを大幅に減らすことができます。